キシランとキシラナーゼ

 β−1,4キシラン(キシラン)は陸上植物の細胞壁中に多く含まれる多糖であり、単糖であるD−キシロースがβ−1,4結合を 介して連なった主構造をとる。キシランのβ−1,4結合を加水分解する酵素がキシラナーゼである.近年,キシラナーゼの製紙・食品・ 医薬品工業への応用が注目を集めている。一般にキシランなどの多糖類はアルカリ性において水溶性が増すことから、アルカリ性条件下 で高活性を示す酵素が工学応用上有利と考えられている。

xylanase

好アルカリ性バシラス属細菌 41M-1 株

 本研究室において分離された好アルカリ性バシラス属細菌41M−1株は、アルカリ性域に反応至適pHを有する「好アルカリ性」 のキシラナーゼを生産する。微生物に由来するキシラナーゼの反応至適pHは酸性から中性付近にあるのが常であり、アルカリ性領域に至 適を有するキシラナーゼの報告は本酵素が初めての例である。

41M-1株

キシラナーゼJ

 これまでに本研究室では、41M−1株キシラナーゼ(キシラナーゼJと命名)をコードする遺伝子のクローニングを行い、本酵素がフ ァミリー11/F触媒ドメインと新規キシラン結合ドメインから構成されることを明らかにしている。

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キシラナーゼJのタンパク質工学

 キシラナーゼJのタンパク質工学検討により、E93およびE183が触媒活性として、そしてW18、W86、Y84およびY95が基 質キシラ ンの認識に関与していることを明らかにしている。上の図は、既に報告されている Bacillus pumilus キシラナーゼの立体構造(H. Okada, 1992)に基づく本酵素の構造モデルである.

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